九月第三週 重陽を過ぎても蝉の声がやまず、縁側から差し込む西日が一層強く感じられる。白磁の湯呑みが残す円い輪染みを眺めながら、ゆっくりと煎茶をすする。 Sorry, Japanese only.

時間停止 × 『真珠の耳飾りの少女』

2026-09-18・毎日の一枚

ヨハネス・フェルメール『真珠の耳飾りの少女』
ヨハネス・フェルメール『真珠の耳飾りの少女』(1665年頃)

老眼鏡を外し、埃の被った図録をめくると、ヨハネス・フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』に描かれた娘の濡れたような瞳がまっすぐにこちらを見つめている。暗がりに浮かび上がる白い襟と青と黄色のターバンが、奇妙なほど鮮やかに目に飛び込んでくる。この名もなき娘の顔は、世界で最も知られたものとなった。さて、検索の世界を覗いてみると、時間停止という語は四十二位につけ、十両の席で名を刷られている。動かない世界に閉じ込められた気配を好む欲望は、いつの時代も変わらぬものだなと、この少女の振り返る姿に重ね合わせるのはいささか強引に過ぎるかもしれない。動きを奪われたまま永遠に留まる姿にこそ、人は魅せられるのだ。

西日の差し込む書斎の柱時計が、相変わらずゆっくりと重い音を刻んでいる。冷めかけた煎茶を飲み干し、棚にある名画集を手に取ってページを繰る。

作品情報:ヨハネス・フェルメール『真珠の耳飾りの少女』 1665年頃・油彩・カンヴァス・マウリッツハイス美術館(ハーグ)所蔵。画像:Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

教授の書斎(棚にあるもの)

名画集
教授の名画集(準備中)毎日の一枚をまとめた画集。